家賃収入の仕訳と勘定科目の基礎知識。法人なりへの道

法人なりを考える人にとっては、どのタイミングが一番得か???というのがとても気になることだと思います。

 

一般的な所得金額の目安は、個人事業の利益が800万円を超えた辺りだとも言われていますが、もちろん、皆さんに当てはまるものでは無いです。

 

副業でされている方の場合は、会社から貰う給与と家賃収入とを足すと、共稼ぎの場合は特に世帯収入があがってしまう事もあります。

 

会社で副業禁止と言われている企業では「家賃収入だと説明するのが面倒で」という人も早々に法人化されている人も多いですね。

 

このように、人によって法人成りを行う時期は違うので、税理士の先生と相談して時期を選ぶと良いですね。

 

又、どんどん数も増やして、一棟アパートやマンションなども視野に入れている人は、必ず税理士の先生と顧問契約をした方が、今後必要になる融資であったり、資金繰りに関してもアドバイスをもらえます。

 

では、家賃収入の仕訳についても説明していきます。知らない人も多いのですが、

 

「個人」「法人」とでは仕訳するときの勘定科目が変わる場合があります。

 

さらに、法人の場合でも本業が不動産収入か別事業かによっても勘定科目は変わるのです。

 

ここでは基本的な家賃収入の仕訳や勘定科目について見ていきましょう。

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家賃収入の仕訳。法人と個人

個人で「賃貸経営」をしている場合と、法人で「賃貸経営」している場合とでは、勘定科目が変わってきます。

ここでは、勘定科目について詳しく説明していきますね。

 

勘定科目とは、

勘定科目というのは、出入りするお金につけられた見出しのようなものです。

お金がどこから入ってきてどこに出ていったのか?などの流れが分ります。

 

例えば、何かを売った代金を「現金」でもらったのか?「普通預金」(銀行振り込み)でもらったのか?で変わってきます。

会計ソフトを使う上でも確定申告や財務諸表等にも用いる科目です。

 

法人の場合

本業が不動産業の場合は、家賃収入は「売上」とします。

でも、本業は別で収入を得ている場合は「受取家賃」となります。

社宅の場合など、福利厚生など利益目的ではない物から家賃収入が入る場合もあります。

この場合は営利目的ではないので営業外収益として「雑収入」となります。

 

受け取った家賃も、解釈の仕方や業のありかたで以下の様に変わってきます。

 

「売上」「受取家賃」「雑収入」

 

これらをきちんと使い分けるようにしましょう!

 

個人の場合

私のように、パートをしながら副業として家賃収入を得ている場合は原則として

 

「不動産所得」

 

となります。

 

でも、一時的に雑収入として仕訳を行い、事業所得とすることも可能です。

 

この二つの違いは

「雑所得」の場合、赤字が出ても他の所得と損益通算することはできませんが、

「事業所得」の場合は給与所得などの他の所得と損益通算できるメリットがあります。

 

雑収入というのは、本業以外の収入って感覚でOKです

 

どちらにしても、

会社員の給与以外に収入が20万円を超えた場合は確定申告の義務

が生じますので気を付けてくださいね。

 

又、個人でも「個人事業主」として不動産経営をされている方は、

「売上」

となります。

なぜなら、本業として家賃収入を受け取っているからです。

 

次に消費税の事を見ていきましょう。

 

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家賃収入の消費税の扱いについて

今では何でも消費税がかかるイメージですね。

では、不動産投資や相続、投資用マンションや社宅・寮と様々なタイプがありますが、これらの家賃収入には消費税はかかるのでしょうか?

 

答えとしては、

「住宅用、居住用として提供している不動産からの家賃収入には、原則として消費税はかかりません。」

 

なので、事務所等や店舗など住居ではない場合は、消費税はかかってきます。

例外は、駐車場を貸している場合は居住用とならない為に課税対象となります。

でも、駐車場込として部屋代と駐車場という価格設定の場合は、居住用とみなされて非課税となります。

 

そして、注意しておきたいのが、居住用のマンション・アパートであっても、入居者との契約が「事務所としての利用を認める」「倉庫としての利用を認める」

 

などと記載している場合には、事業用として消費税対象となるので徴収する必要があります。

これは、極稀にですが、入居者の方がご自分の事業の経費とするために、契約内容を事務所利用としてほしいと言われることがあるのです。

 

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決算書における家賃収入の科目

法人の場合は

「売上」「受取家賃」「雑収入」

となります。

 

勘定科目の5つのグループから見てみると、

上の3つ「資産」「負債」「純資産」は決算書の「貸借対照表」

下の2つ「収益」「費用」は決算書の「損益計算書」の中に区分されます。

 

おさらいですが、業務の中心が何かによって科目は変わってきます。

本業としているのであれば

「売上」に計上。

 

本業以外で受け取った家賃収入は営業外収益として

「受取家賃」「雑収入」

などの科目を設定します。

次に実際に仕訳のやり方を見てみましょう

 

仕訳の事例

①賃貸経営を本業としている法人

例)法人所有の投資用の不動産からの家賃収入150,000が普通預金に振り込まれた場合


 

②本業以外で家賃収入がある法人

例)法人所有のアパートから家賃収入90,000円が普通預金に振り込まれた場合

 


③社宅からの家賃収入がある法人

例)従業員へ割安で提供している社宅の家賃収入30,000円が普通預金に振り込まれた場合

 


④賃貸経営を本業としている個人事業主の仕訳

例)個人所有の投資物件からの家賃収入が100,000円普通預金に振り込まれた場合

 


⑤相続物件から家賃収入がある個人の仕訳

例)親から相続した個人名義のマンション資産からの家賃収入80,000円が普通預金に振り込まれた場合

 


⑥番外編

例)アパートの家賃収入だけの個人事業者。

家賃は月に一度、修繕費、清掃費、管理費などが差し引かれて普通預金に振込まれます。

これを仕訳する時は?

仕訳の基本は借り方と貸し方の合計が同じになる事です。

(家賃100,000円 管理費15,000円 振込金額85,000円)

 

次に支払いの方を見ていきましょう。

 

家賃収入の仕訳科目 支払いの勘定科目について

不動産投資をはじめていると、家賃収入だけではなくて、支払いも発生していきます。

経費となるものが多いのですが、ここではよく使われる勘定科目をご紹介していきますね。

 

①水道光熱費

廊下や共用部分の電気代や、外にある水道料金などは、大家である私が支払わないといけません。

でも、その分を見越して、家賃と別に共益費として入居者から徴収していると思います。

収入共益費>経費共益費なら差額は当然に利益です。

しかし、

収入共益費<経費共益費の場合は、

家賃から不足を補填しているということになります。

 

例)家賃100,000円と共益費20,000円を普通預金に振り込みされるが、水道光熱費と管理費を普通預金から支払った場合

 

※個人事業者の場合は、

「収入金額-必要経費=所得」

の所得が正しく申告されればいいのであって、あまり難しく考えることはありません。

 

②管理費

分譲マンションの場合は、管理組合があるところがほとんどですね。

毎月支払われる管理費を経費計上します。

修繕積立金は修繕費として処理します。

 

積立金でもあるのですが、次のような理由によって「修繕費」として経費計上するのです。

積立を強制されている(マンションの外壁工事などに使われるので、一人だけ反対などできないですね)

用途を選べない(管理組合で決まった内容を、自分だけ変更したいなんて言えないですね)

返還されない(外壁工事などは数十年に一度です。工事の前に引っ越しするから言って自分の分を返金してもらえないです)

 

③広告宣伝費

これは、入居者募集のための広告費用ですね。

チラシやネット上での広告費用もこの科目となります。

この広告費は、個人で掲載することは少ないですね。

不動産会社へ支払う仲介手数料も、場合によっては「広告費」となります。

 

④支払い手数料

入居付けしてくれた不動産会社への仲介手数料は、支払手数料となります。

ただ、不動産購入の場合は仕訳科目が異なってきます。

(土地・建物の取得価格に含める)

 

⑤修繕費

入居者が退去した後に部屋のリフォームや傷んだ箇所を修繕するときは「修繕費」となります。

分譲マンションの積み立て修繕費も、この修繕費となります。

 

事前に「敷金」として預かっていた場合は、現状回復の為に敷金から差し引かれます。

 

入居時に敷金を預かった場合

 

退去時に修繕が必要になった場合(修繕費用50,000円)

 

接待交際費

仕事を進めていくうえで、どうしても得意先や仕入先との関係から生じる接待や贈答など。

交際費としての支出は欠かせないものです。

個人事業主が交際費を計上する際に、税務上、否認されず、問題なく処理できる要件と注意点について見ていきましょう。

 

個人事業主 … 限度額なし(すべて経費計上が可能となります)

 

上限がないからといって、なんでも認められるかというとそうでもないのです。

 

利益に貢献する支出の例としては、

得意先との飲食代や慶弔費、

飲食の際に利用したタクシー送迎のための支出、

得意先とのゴルフなど。

 

それ以外の主なものは、得意先になる可能性のある人を飲食に招待したことが信用につながり、

新規の契約を得られた場合には、事業に関係した利益貢献となる支出の為。

交際費として認められる。

ビジネス上、やむを得ず参加しなければならない会合や講演会など。

 

注意点として、

 

飲食代など「誰と行ったのか?」を明確にしないといけません。

 

領収書の裏などに

「○○会社の▽さんと飲食」

のように記載しておきましょう。

 

個人事業主の場合、飲食代を交際費として計上する際には、誰と飲食をしたのかを後日に説明することができれば、交際費として計上することが認められます。

 

まとめ

会計ソフトを使うと自動転記されるので、楽に確定申告も出来ますね。

今の会計ソフトは使い方が簡単なので、簿記や経理の知識が無くても大丈夫です。

 

でも、知らないうちに「脱税していた」なんてことにならないようにしましょう!

 

仕訳科目も普段使うものは決まってくるので、日々の入力を自分で行うとお金の出入りが分かります。

自分の会社として考えるのなら、税理士の先生に丸投げせずに自分で管理することをおすすめします。

 

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